月と太陽 2
他者のことを尊重できない人はいます。
自分より優れた人を、認められない人もいます。
自分が世界でいちばん優秀だ、と思っているわけではないのですが、
他人のことを認めることができないのです。
そして、他人のことを尊重できない人は、自分のことも尊重できていません。
傲慢で他人を見下す人が、自分のことを尊重していない?
自分が偉いから、人を見下すのではないの?
少し角度を変えてみましょう。
気位の高い女性と、気配りのできる男性がいます。
女性は、男は自分に奉仕するものだと思っています。
男性は、女性の機嫌を損ねないよう、相手の意を汲んで動こうとします。
女性は自分を大事にしているように思えますし、
男性は女性を尊重しているように見えます。
理想的な相性のペアに見えますが、果たしてそうでしょうか?
もう少し違う角度で見てみましょう。
「ありのままのあたしを好きになって欲しい」
理想の恋愛を尋ねられて、そのように答える女性がいます。
飾らない自分、裸の自分、今のままの自分を好きになってくれる、
欠点や至らないところも含めて自分を愛してくれる、
それが理想の恋愛だと。
一見、いいことを言っているように聞こえますが、
見方を変えると、これほど傲慢な言い分もないでしょう。
自分は一切変わる気がない、と言っているのと同じなのですから。
気位の高い女性や気配りのできる男性も、同じことをしていることにお気づきでしょうか?
ただ女性に尽くすだけでは、女も男も変わることができません。
変わることができないと、成長することができません。
ありのままの自分、今のままの自分では、いつまで経っても欠点は欠点のままなのです。
尊重するとは、大切にすること。
大切にするとは、他者であれ自分であれ、
一歩でも二歩でも成長の階段を上らせることです。
もし、相手が自分を尊重してくれないのなら、
あなたが今まで以上に相手を尊重して、
相手が他者を尊重できるように、成長させればいいのです。
しかし、まだ次の段階があります。
いつまで経っても成長の兆しが見えない場合、
どこまで頑張るか、という悩みです。
尊重できない人は幼い人です。
幼い人は他者を尊重しませんが、頼りにはしてきます。
そして、頼りにすることで、支配しようとしてくるのです。
「この人は私がいないとダメになる」と思わせる人は、
相手に頼ることで、相手を支配する人です。
もちろん、男女の関係ですから、別れるという選択肢は常に用意されています。
さて、どうしたものでしょう?
 

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