納 得2
人生は、ままなりません。自分の望み通りに事が運ぶことは稀です。
なぜなのでしょうか?
それは、私たちが完璧ではないからです。
完璧ではない人間の望む通りに事が運んだら、どうなるでしょう?
行っては行けない道に迷い込むかもしれませんし、薬と思って毒を飲んでしまうかもしれません。
「ラッキー!」と思えたことが、いずれはそのツケを支払うことになってしまったり、逆に、なぜこんな目にと口惜しく思われたことが、暫く経つと、感謝すべきことだと気づいたり…。そのようなことは、誰しも経験したことがあるのではないでしょうか?
私たちの視野は、決して広くはありません。
もし360度の視野を持ち、その中から、その時にもっとも相応しいものを常に選択できるのなら、間違いは起こらないかもしれません。
しかし、そんなことはまずないでしょう。
正解は、死角に隠れているかもしれません。視野が仮に120度しかない人が、自分の真後ろに隠れているものを見つけ出すのは、容易な作業ではありません。
私たちの人生がままならないのは、当たり前のことなのです。
もっと言えば、私たちは、人生がままならないことに感謝すべきです。
なぜなら、ままならないが故に、もがき、苦しみ、努力をし、視野の例で言えば、その視野が広がって行くからです。
逆に、思い通りに行っているときは、視野も広がらず、成長もしていないときです。
思い通りに行かないという環境を、観念して受け入れること。
そして、自分の望むことより、いま置かれている状況の方が、自分にとって必要な環境だと納得すること。
その納得さえあれば、悩みが入り込む余地はなくなるでしょう。
 

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