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比 較
もし、この世界に自分ひとりだったら、多くの悩みは解消されます。
それほど、人は他者との関係で悩んでいます。
能力、地位、評価、お金、健康・体力、容姿、家族・家庭、恋人、趣味、交友関係…
周りの人と自分を比較する材料は、枚挙にいとまがありません。
しかも、最大の悩みだったものが解決すると、それまでは気にもしていなかったことで周囲と自分を比べ、悩み始めたりします。
他者と自分を比較するというのは、人に備わった本能のようなものなのかもしれません。
他者と比べ続ければ、人はコンプレックスという悩みから逃れることができないでしょう。他者と比較して、優越感を持ち続けることは不可能だからです。
人は年を取ります。どんなに体力に自信があった人も、100歳になると20歳の若者には敵いません。
では、「他者と比較する」という壁を乗り越えるには、どうしたらいいのでしょうか?
比較すること自体は止められないわけですから、比較する対象を変えてみるのはどうでしょう?
例えば、性格。
例えば、価値観。
例えば、境地。
優劣の基準を変えるのも手です。
お金はないけど、性格は良い。
社会的地位はないけど、幸せだ。
体調はよくないけど、安心している。
では、こういう基準はどうでしょう?
何を持っているかではなく、何を持っていないか、という基準。
あの人はお金への執着が強いけど、私はそうでもない。
あの人は容姿にこだわるけど、私は無頓着。
あの人は健康オタクだけど、私は先のことはあまり考えない。
あの人は家族命だけど、私はひとりでも平気…。
優れた人というのは、多くを持っている人のことではありません。何も持っていなくても平気な人のことです。裸のまま、ひとりで立っていられる人です。
これもひとつの基準にすぎませんが。
 

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