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将来設計
今後のこと、将来のことが気になる、という人は多いかもしれません。個人的にも社会的にも、心配の種は探せばきりがないでしょう。「将来に備える」ことは、必要なことのように思えます。
Aさんの例を見てみましょう。
Aさんの心配は老後のことです。老後に備え、年金、保険、貯金などを徹底的にチェック、生活設計を綿密に練り、思いつく限りの準備を進めています。老人施設の下調べにも抜かりはありません。休日の全てを、その準備に費やしていると言ってもいいくらいです。
ただ、準備を綿密にしようとすればするほど、不安要素も出てきます。
自分の健康状態なども含め、どこまで予定通りに人生は進むのか、何歳まで生きるのか、それが分からないことには、最終的な計画など立てようがありません。不確定要素が多すぎるのです。
そしてもうひとつ、Aさんが気づいたことがあります。
Aさんの今の生きがいは、この先の人生設計です。では、「この先」がやって来たとき、Aさんは何を生きがいにすればいいのでしょうか?
いくつか趣味のようなものはありますが、熱心に打ち込んでいるとは言えません。一番の関心事が老後の準備ですから、無理もないでしょう。
老後の生きがい……。
Aさんの将来設計はここで止まって、進まなくなってしまいました。
何がいけなかったのでしょうか?
将来に備える、それはそれでいいのですが、備え方が的外れだったのかもしれません。
私たちは「いま」を生きています。そして「いま」の積み重ねが未来を作っています。
ところがAさんは、「いま」よりも「未来」に夢中になってしまいました。「いま」が希薄であれば、希薄な未来しかやってきません。
未来を豊かにするためには、「いま」を豊かに生きるしかないのです。
スポーツで考えてみればよくわかります。
「いま」練習に励まなければ、満足できる未来の結果はついてきません。
時には、未来を忘れましょう。
「いま」にのめり込んでみましょう。
それが、あなたの将来を豊かにしてくれるはずです。
 

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