トラブル
「最近、トラブル続きで」
という愚痴を聞くことがあります。
「お祓いに行かなきゃ」という声が耳に入ってくることもあります。
トラブルは続くものです。似たようなトラブルが、追い討ちをかけるように襲ってきます。
それは、トラブルの起きやすい運気に、その人、もしくは会社などが入っているということです。
トラブルは、これまでの成績発表です。そして、次の段階へ進むためのステップでもあります。
トラブルがあると、改善策を立てることを余儀なくされます。これまでの到らなかった部分が表面化し、強制的に修整させられるわけです。
できることなら、トラブルが起きる前に改善できていればいいのですが、トラブルが起きてしまった後では、それを前向きに捉えるしかありません。
次のトラブルを起こさないために、ワンステップ上に行く、そのチャンスでもあるのです。
ところが、トラブルに感情が絡んでくると、少々やっかいなことになってしまいます。
トラブルを起こした側が、保身に動いたり、過剰に自分を責めたりする場合。
被害者の側が、必要以上に相手を攻撃したり、うらんだりする場合です。
いずれの場合も、トラブルを過度に主観的に見てしまうと、せっかく起きたトラブルを次に役立てることができなくなってしまいます。
そしてそれは、加害者、被害者いずれも、信用をなくすことにつながります。
トラブルを起こした側の対応が問われるのは当たり前のことですが、起こされた被害者の方こそ、冷静な対応が求められます。
なぜでしょうか?
非がないからです。
人は自分に非がないときこそ、試されるものです。
非があれば責められて当然ですが、非がないときに、トラブルの被害者という形で辛苦を味わうことに、どう応じるか?
なぜ自分が、こんな目に遭わなければならないのか、という問いにどう答えるのか?
その人の人生観が問われます。
そして、人生や運命というものを改めて考え始めるのです。
人に感情という機能が備わっている以上、感情を一切排除することは難しいでしょう。でも、加害者にせよ被害者にせよ、感情という荒波をなんとかかいくぐり、できるだけ客観的にトラブル対応をすることができれば、人は成長するようになっています。
もちろん、感情という荒波に飲み込まれてしまうのも、ひとつの経験には違いありません。

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