悩みのお友達1 「妬(ねた)む人」
Aさん(主婦、43歳)には、どうしても解決できない悩みがありました。
人の幸せを心から喜ぶことができない、という悩みです。
どんなに仲のいい友達の幸せでも、100%のうち5%くらいは、
妬(ねた)みや嫉(そね)みが入っている気がするのです。
例えば数年前、親友だと思っている友達が高齢出産で男の子を生んだ時、
自分にも子供がいるにもかかわらず、心の底から喜んでいない自分に気づいたのです。
なぜ!?
そんなに私は心が狭いの!?
妬みの範囲は、家族にも拡大しています。
夫が出世をしても、子供が先生から賞賛されても、
どこかで覚めている自分がいるのです。
夫は自分ではないからでしょうか?
自分が子供の頃は、そんなに褒めてもらえなかったからでしょうか?
その程度のことで喜んでいる夫や子供のレベルが、低く思えてしまうからでしょうか?
妬む人というのは、自分より恵まれている人のことを羨ましいと思うのが常ですが、
その逆もありえます。自分ができることをできない人がいると、我慢ならなくなります。
つまり、自分とは違う人、違うことを認めることができないのです。
世界の中心は自分である。それはその通りかもしれません。
しかし、自分以外の人、ことは、すべて周縁である、とは限りません。
それは、自分からみると確かに周縁ですが、
Aさんとは別のBさんから見ると、Aさんが周縁なのです。
中心にいる自分。
周縁にもいる自分。
もうひとり別のCさんから見ると、
Aさんは、中心と周縁の間くらいにいるかもしれません。
中心にいる自分。
周縁にいる自分。
中心と周縁の中間にいる自分…。
自分が相対化できると、
自分以外にも、中心が無数にあることがわかります。
自分も中心ですが、他の人も、ことも中心なのです。
世界の中心は無数にあるのです。
妬む人は、それに気づかない、視野の狭い人なのかもしれません。
 
 

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