悩みと自律神経
「笑い」が免疫機能を高める、という話を耳にしたことがある方は多いと思います。
がん治療に効果がある、とも言われているようです。
では、「笑い」とは対極にある、いつも悩んでいる人は、どういう体調になるので
しょうか?
最近、一冊の本を手に取りました。
『自律神経を整える「あきらめる」健康法』(角川oneテーマ21)
著者は、小林弘幸・順天堂大学医学部教授です。
その一部を引用させて頂きます。
『実際、自律神経を測定した結果、落ち込んだり怒ったり、妬んだり恨んだり、 不安や恐れなどネガティブな感情を抱いたりすると、自律神経のバランスが大きく崩れ ることが数値としてはっきり計測されています。 自律神経のバランスが大きく崩れると、体も心も病気になりやすい環境になり、心と体にさまざまな不調があらわれてきます。』
単純化すれば、人間は笑うと元気になり、悩むと病気になりやすい、ということに
なります。
悩んで病気になり、病気になって悩むとさらに体調が崩れ、その結果ますます悩む、という悪循環が生まれます。負のスパイラル…。
しかし、この世の中、悩みの材料は事欠きません。ストレスは毎日さまざまな形でやってきます。
では、どうすればいいのでしょう?
『物事を明らかにして「あきらめる」と、心は落ち着き、自律神経のバランスが安定 してくるのです。(中略)
つまり、世間ではいいことだと思われがちな「あきらめない」 は、言葉を換えると、執着であり、切り替えられないことであり、ケジメがつかないことでもあるのです。「あきらめる」ことは、けっして「ギブアップ」することではなく、 「ここまでやったんだから、これ以上考えても仕方がない」と物事を「明らめ」、前に進む勇気を持つということなのです。』
これが小林先生の主張です。
悩むことをあきらめること。 執着を手放すこと。
詳しくは本書をご覧頂きたいですが、 医学的な観点から見ても、悩むことにプラスはないように思えます。
体の調子がすぐれない方は、一度試してみたらどうでしょう。 悩みをいったん横に置き、とりあえず、毎日を笑って過ごしてみたらいかがでしょうか。
作り笑いでも、口角を上げて笑顔を作ると、脳は笑っていると判断するそうです。
 

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