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不機嫌な人
Aさんの最近の悩みは、直属の上司・Bさんの機嫌が悪いことです。
企画書を提出すると、よく中を読みもせずに、新鮮味がない、読みにくい、とすぐに文句が飛び出します。
真剣さが足りないとか、声が小さいとか、果ては、もっとキチンとした格好をしろ、その髪型は何だと、パワハラまがいのいちゃもんをつけてきます。
AさんとBさんは、これまで比較的懇意にしてきました。Aさん自身は、以前と何も変わったところはないと思っているだけに、Bさんの豹変振りが理解できません。Aさんの知らないところで、仕事かプライベートかわかりませんが、何か問題を抱えているのかもしれません。
とりあえず、Bさんの不機嫌の嵐が過ぎ去るのを待つしかない、とAさんは考えています。
一方のBさんの悩みは、部下のAさんの不甲斐なさが、ここにきてかなり目立っていることです。
斬新な企画が出てこないだけでなく、ゴーサインが出た企画の進行も滞っているように見えます。会議の時間に遅れることもたまにあり、服装も含めて、生活全般がルーズになっている印象をBさんは持っています。
注意をしても、本人はどこ吹く風、涼しい顔をして聞き流す始末です。
そんなある日、BさんはAさんのこんなひと言に、ついに切れてしまいました。
「Bさん、最近、機嫌悪くないですか?」
Aさんのことを思って言っているのに、機嫌が悪いと捉えられていたとは、まさに驚きでした。
これでは、聞き流されるのも無理ありません。Aさんには「反省」という二文字が存在しないのでしょうか?
Bさんの悩みは、ますます深くなって行きました。
AさんとBさん、それぞれの悩み。
AさんはBさんになぜ叱られるのか、その理由がわからず、
Bさんはなぜ、自分の言葉が届かないのか理解ができません。
AさんとBさん、この二本の線は、交わることがないのでしょうか?
方法はなくはありません。
その鍵を握るのは、Cさんです。
Cさんの何が、鍵を握っているのでしょう?
それは次回に!
 

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